あの日の恋は、なかったことにして
「なに? いい男すぎて見惚れちゃった?」
「ばっかじゃないのー?」

 私は、思い切って猪狩くんの腕に指をからめた。

「ん? どした?」
「……寒いの!」
「かっわいー」

 猪狩くんは、くすっと笑って、それから私にキスをした。
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