お願い、あと少しだけ
アパートについて、奈緒子は強烈な眠気に襲われた。

「ふわぁ~ぁ!」

「奈緒子、眠い?」

「うん・・・すごく。もう、すぐ、寝たい」

「どうせだったら奈緒子食べたかったけど、明日におあずけかぁ」

弘樹は心から残念そうで、奈緒子はこっそり、くすっと笑った。

「奥がベッドルームだから。あ、化粧落としたり歯を磨いたりするよな?右がバスルーム」

「ありがとう」

お互いに寝る準備をして、ベッドに入った。

「今日は、ギュッと抱いて寝てくれる?」

「お望みならば・・・。あさイチで食べるからな」

かぁぁぁぁっ。奈緒子は赤い顔を隠すために寝たふりをしている・・・うちに眠ってしまった。

「疲れてたんだな。無理させてごめんな。ほんの少しでも早く奈緒子に会いたかったから」

奈緒子のおでこにキスをして、弘樹もすぐに眠りに落ちた。

翌朝・・・起きたのは弘樹が先だった。奈緒子はまだスヤスヤ寝ている。

午前9時、2人で飲むコーヒーでも淹れようかとベッドから降りると。

「弘樹・・・?起きたの?」

「あぁ・・・抱きあった後に飲むコーヒーを入れようかと思ってね」

「来て・・・」

弘樹はベッドに戻って、奈緒子を抱きしめた。

「会いたかった、弘樹」

「・・・って、2日会ってなかっただけ、だよな?」

「弘樹は・・・?会いたくなかったの?」

切なげに奈緒子が訴える。会いたくなかったはずなんかない。

「すっげぇ、会いたかった」

弘樹から求めるようなキスをされると、奈緒子もそれに答えた。

お互いのパジャマと下着を脱がせ合い・・・絡まり合った。

弘樹が奈緒子を、奈緒子が弘樹を、心ゆくまで味わっていた。

来週末からは、これが毎日出来るんだよな、と弘樹は喜びを嚙みしめていた。








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