お願い、あと少しだけ

Midnightの再会

新幹線が新大阪駅に滑り込む。ホームに降り立つと愛しい人の顔があった。

「奈緒子!疲れただろ?早くアパートに行こう」

「弘樹こそ・・・今日は飲み会だったんじゃないの?」

「奈緒子と会うんだから、アルコールは飲んでないよ。あんま飲めない、って言って断った。せっかくの奈緒子との再会が泥酔じゃ、ロマンティックじゃないだろ?」

ぎゅ・・・っ。思わず弘樹に抱きついていた奈緒子だった。

「・・・亜由と奈由美がね、『奈緒子行っちゃうのね』ってもう言ってるのよ。来週末まであるのにね」

「そりゃ、入社してからずっと仲良くしていたんだから・・・」

「うん、でも、ね、切なくなっちゃった」

「奈緒子?・・・大阪に来るのが嫌になった?」

ぶるん、ぶるん、ぶるん・・・奈緒子は必死にかぶりを振った。

「違うの・・・弘樹とは1日も早く一緒に暮らしたい。一緒に居たい。ただ、何て言うかな、不安もあるの」

「そっか・・・そりゃあ、初めての土地だもんな。僕もまだよくわかっていないし。2人で少しずつ馴染んでいこう」

話しているうちにも時計は進む。12時半を過ぎていた。

「さて、タクシーで我が家へ向かおうか。眠くなる前に」

「うん」

タクシー乗り場には、それほど列ができていなかった。新幹線が到着してから少し時間が空いたからだろうか。少し待つと乗ることが出来た。

「上新庄の方に向かって下さい」

2人が乗り込んで、弘樹が言うと車が走り出した。

「我が家」までもうすぐだ。

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