ちよ先輩のてのひらの上。

明かされる真実



いつもより乱暴に触れられたはずなのに、与えられた感触は、優しくて、甘いもので。

私の体からは、すぐに力が抜けてしまった。

瞼を開けて、ゆっくりと離れていくちよ先輩の顔を戸惑いながら見上げる。


「……ごめん、ひなちゃん」


先輩は、目を伏せまま言った。

……さっきから、そればっかりだよ。


ズキズキと痛む胸に、眉を下げる。

ところが、先輩の顔が再び近づいて、今度は頬に唇が触れた。

舌先で涙をペロ、と舐められ、


「ひぁっ」


驚いて瞬くと、——まるで、さっきまでのしんみりとした表情が嘘みたいに、いたずらな微笑みが視界に飛び込んできた。


「あのね、——めちゃくちゃ、見られちゃってる」

「……へ……?」


……見られてる……?

私は、目をぱちくりとさせる。

少しの間を置いて、先輩の言葉に、たった今、自分たちのいる場所が2階の廊下であることを思い出した。

……と、いうことは。

< 146 / 225 >

この作品をシェア

pagetop