甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています

昨日は結局お昼からも受診者が増えることはなく、終始まったりとした時間が流れた。受付も早めに締め切ることが出来て、帰り支度をしている時。

『瀬尾さん、ちょっといいかな?』

九条先生に呼ばれて、会議室の外の廊下で連絡先を交換した。

『あとでメッセージ送るね。お疲れ様』

そう告げると、颯爽と帰っていった。

私のスマホに、あの九条先生の連絡先が入っている。
それだけでなんだか自分のスマホが特別なものになった気分だった。

いつ連絡が来るんだろうと家に帰ってもスマホを手放せず、お風呂に入る時は受信したら分かるように洗面所にまで持ち込む始末。

なんだかんだ予防線を張りながら、自分でも浮かれている自覚はある。

英字新聞のアイコンがオシャレな九条先生からメッセージが届いた時には、本当に身体が宙に浮くほど飛び跳ねて驚いた。

「だいたいお昼休憩に2人だけで出るっていうのがもうフラグ立ってるのに、プライベートで誘われたなら回収するしかないでしょ!」
「フラグ…立ってる、かなぁ」
「ビンビンに立ってるでしょ!」

独特な表現に苦笑が漏れるけど、朱音ちゃんが大きく頷いてくれたのに勇気づけられる。

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