溺愛プロデュース〜年下彼の誘惑〜
さっきまでのピリついた雰囲気はなく
ニコッと笑顔のサクッと誘う感じは
いつもの彼に戻っている?
そしてこれって…デートの誘い?
半信半疑ながらも
ちょっとドキドキしながら2つ返事をし
デート(かもしれない?)当日を迎えた―――
未だ慣れないメイクを施し
洋服も、私にしては珍しい淡い水色のハンカチーフスカートを履いて会場へ。
店の各席は予約でいっぱいになっていて
思った以上に人数が多い。
前以て然さんから聞いていた《《広い》》個室へと到着し
《《団体予約席》》に今日がデートじゃない事を理解した。
「・・・・そういう事か」
すでに数人が集まっていて
その中心で喋っている然さんの姿がある。
これはいわゆる“会社の飲み会”
2人きりのデートなんて微塵もなかったのだ。
「期待してしまった自分が情けない…」
心の中で溜め息を吐き
ひとまず室内へと足を進めると。
「あ、由凪さん
お疲れ様」
「お疲れ様です…」
気がついた然さんに笑顔で挨拶をされ
勘違いが更に恥ずかしく感じてしまう…。