溺愛プロデュース〜年下彼の誘惑〜

学生時代から一緒に働いてきた友人=ゲイ疑惑。

桐生さん、なんかごめんなさい。
たぶん然さんに大きな誤解を与えてしまったかもしれない――


「ねぇ、由凪さん」

「ん?」

然さんと駅まで向かう最中
彼は、聞きづらそうに躊躇い気味に私に問い掛けた。

「さっきアイツに…
 キス、された?」

「え…」

「ギリギリ止めたつもりだったんだけど…
 もしかして間に合わなかった?」

なぜそんな事を聞くのだろう。

それとも
気になってくれているの…?

「まさか遅かった!?」

何も答えず立ち止まってしまったからか
彼は私の返事は”はい”だと勘違いしたみたいで
慌てて首を横に振って否定した。

「み、未遂だった…?」

「うん、大丈夫。
 然さんが止めてくれたから。」

「そっ…かぁぁぁ」

盛大に息を吐きながらその場にしゃがみ込む然さん。

「焦ったな。
 でもよかった、間に合って。」

「然さん…」

今日の彼は
私の知らない初めて見る”素”の姿ばかり。

レンズを通して映るのとは
まったく違う。
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