溺愛プロデュース〜年下彼の誘惑〜

感情も言動も
1人の“漢”としての然さんだ。

「本当、新多は油断も隙もあったもんじゃない。
 目を離せばすぐ手を出す。
 それもよりによって、今回は由凪さんにだなんて…」

電車を降り
ブツブツ文句を言いながらマンションに帰宅。
よほど根に持っているのか、桐生さんにご立腹みたい。

「でも桐生さんって、然さんが言ったみたいに悪い人ではないのはわかったよ。すごく相手を思っている優しさがあるしね」

特に貴方の事は
仕事仲間であり友として心配しているっぽいから。

…なんて本人に言ったら
どんな反応をするんだろう。

「まさか由凪さんッ
 アイツに惚れたんじゃッ」

「えッ!?」

エレベーターに乗り込むなり
彼は急に焦ったようにワッと声を上げるから
こっちが驚いてしまう。

「ないない、大丈夫だよ。
 そんなに心配しないで?」

「そっか。
 それなら良いんだけどね…」

って、付き合っているワケじゃないのに
まるでカップルの会話みたいな気がする。

そうさせているのはたぶん
この人が”嫉妬”っぽい言い方をするから。
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