溺愛プロデュース〜年下彼の誘惑〜
会議の内容が良くなかったのだろうか。
いつもと様子が違い
自身のデスクに座るなり無言でパソコンを開くと
真剣に、ただ一点に見つめる先は画面ばかり。
「ねぇ然、これなんだけど――」
「悪い、美南
あとにしてほしい」
さっきの疑問を聞こうと話し掛けた美南さんに
顔を向ける事なく冷たく言い放つほど切羽詰まっている感じがある。
ズキン…と痛む彼女の心は
傍で聞いていた私も同じ。
悪い予感を察し
これ以上は声を掛けられないと悟った美南さんは
『またあとにします』と部屋を出て行ってしまった。
せっかく待っていたのに…
私もどうしたらいいんだろ。
ひとまず彼を1人にした方がいいかな
拒絶されるのもツラいし。
食い入るようにパソコンを凝視している然さんに言葉を掛けづらくなった私も、静かにこの場から立ち去ろうとドアに手を掛けた。
の、だけど―――
「クソっ
どうなってんだよッ!」
背後から聞こえた”バンッ”とデスクを叩く音と張る大声に
私はビクッと肩を震わせ、恐る恐る振り返った。