溺愛プロデュース〜年下彼の誘惑〜

借りた鍵を手に部屋の前に到着。
カードキーを差し込む彼を待ちながら
ちょっと気になった事を尋ねてみた。

「本当にこの部屋を使っていいの?
 2つ購入したって事は
 何かに使うためじゃないの?」

「あー、それなら問題ないよ。
 もともとは美南が使う予定で買ったものだし」

「・・・ん?」

受けた衝撃の言葉に
また私は硬直。

今、この人はなんと…?

「えっと…美南さんが使うって…」

聞き間違いだと信じたくて
もう一度聞き返してみたのだけど。

「付き合ってたけど俺は同棲が苦手だから
 だったらって事で買っただけ。
 別れたから必要なくなったし今は空き部屋だよ。
 安心して」

『どうぞ』なんて言って
玄関に招き入れようとしてくれる然さん。

そんな話を聞かされて安心しろだなんて…
彼女が住もうとした部屋に私が借りるのって
そんなの…アリ?

「入らないの?」

立ちすくむ私を不思議に思ったのか
ドアを開けたまま首を傾げている。

「本当に、大丈夫です?」

「何が?」

「何って…」

いろいろでしょうよ。

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