ヤンデレな子犬系狼様の愛は重すぎる。

「ヒヨは僕のだから、奪おうなんて思わないでね」

【side 尊和】

「ヒヨ〜なんで、勝手にお屋敷でちゃったのかなぁ?」

「あ、あのっ……」

「誰に言われたの?」

「へっ……?と、尊和様に言われたんですけど……」

 は?俺そんなこと言ったっけ。

「言ってないよ」

「ええっ……!?た、たしかに、ちょっと身長が低くなってて、尊和様じゃないってことはわかったんですけど、声とかそっくりで……自分のこと、尊和だよって言ってたから……」

「ふふっ、ヒヨ、バイト中でも、タメ口でくん付けでいいよって言ったよね?」

「あっ!ご、ごめんねっ……!一応、頑張ってたんだけど……」

「ううん、大丈夫」

「じゃ、じゃあ、やっぱりちがかったのかぁ……ごめんね」

「ううん、一応ヒヨが気がついててくれただけで嬉しいし」

「ふふっ、尊和くんは本当に優しいね」

「えへへっ……僕、ヒヨ大好きっ」

 そう言って、ヒヨに抱きつく。

 いまは、車で屋敷に向かっている時だから、ヒヨのことは他のヤツには見えない。

 ふふっ、ヒヨが誰かを好きになろうなればマジで相手は殺し、ヒヨは一生閉じ込めちゃうもんねっ。

 でも……ヒヨが、僕のことが大好きなまま——え?好き……?

 そうだ……ヒヨ、好きって言ってくれたんだ……。

 この間も同じようなことを考えたことがあるような気もしたけれど、やっぱり……信じられないなぁ……。

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