ヤンデレな子犬系狼様の愛は重すぎる。
 迫り来る尊和くんと共に、恐怖がさらに迫ってくる。

「と、尊和くんのおバカ!!」

 そう言って、尊和くんのお腹を思い切り殴った。

「んぐっ……!!」

 すると、崩れるように倒れてしまった尊和くん。

「わわっ……!どうしよう……!?」

 と、とりあえず、これ(鎖)を取ろう……!

「ご、ごめんね尊和くんっ……」

 私の為に鎖のキツさを緩くしてくれていたのか、頑張れば鎖を取れた。

「と、尊和くんっ……」

 逃げた方がいいことぐらいとっくにわかっているというのに、自然と手が尊和くんに伸びた。

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