ヤンデレな子犬系狼様の愛は重すぎる。
「なんだよ、喜べ」

「わー!嬉しいー!」

 棒読みにして、席に座った。

「相変わらず可愛い顔してんな〜」

「うるせぇ。まぁ……俺、可愛い顔してんのは否定しないがな〜」

「ふっ、なんだよ、相変わらずだな」

「ってかお前だって可愛い顔してんじゃねぇか」
 
「そりゃあありがとうございます〜」

「きゃー!可愛いコッチ向いて〜!!」

「尊和〜向いてあげよう?」

「え」

 すると、スマホで盗撮された……。

「はい、尊和もいるから千円」

「もっと払いたいわ!」

「いいんだよ〜」

「じゃあ、はい」

「ありがとう」

 うゎ、クズじゃねえか!
 
「お前最低だな。」

「しゃーねぇだろ、お前みたいに金持ちじゃないんだから、そんぐらい許せよ」

「あーはいはい。わかったわかった」

「あと、ついでに今度どっか出かけね?」

「なんでだよ」

 そう言って、軽く微笑む。

「いや〜久しぶりにさ。あ、もちろんお前の奢りな?」

「わかってるよ。まぁ……ヒヨとの用事がない日なら、まぁいいよ」

「マジかっ!やったー!!」

「お前は……俺ごときにそんなに喜んで、いいヤツだな」

「まぁ、親友だからな」

「……ありがとうな」

 昔から妬まれたりしていたせいで、友達はコイツ、鈴以外と友達になったことがない。

 だから……まぁ……コイツは、結構大事にして行こうと思う。

「あ……あと、その一緒にどっか食いに行った時に、相談したいことがあるんだけど、いいか?」

「別にいいけど……珍しいな」

「まぁ、俺にも色々あるからな」

「あーそうだな。どうせ彼女のことだろうし」

「は?なんで知ってるんだ?」

「噂になってるんだよ」

「あー……」

 まぁ、この御曹司な俺と、あの絶世の美少女のヒヨと付き合い始めたら、そんなの噂がたつよな……。

「俺もいま彼女いるからさぁ」

「え?誰?」

「来楽先輩」

「!?はぁ!?」

「え?知ってんのか?」

「そりゃあ……」

「あと、俺の友達の、二葉っていうヤツがいるんだけど、ソイツの彼女が、瑠奈先輩」

「ははっ……運命的だなっ……」

「ああ。だから、絶対に、逃すんじゃねぇぞ」

「わかったよ。ありがとうな」

「まぁ。お前の一番の親友だからな」

「ははっ、よく言うよ」

——そう言って不敵な笑みを浮かべた。
 
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