死神さんは春になく
いつしか僕は笑わなくなった。



この図書館と共に過ごすうちに、少しずつ感情の花が咲いて。それは人の子が少しずつ成長していくような微々たるもので。喜怒哀楽を覚え得たもの――人と物語を、愛おしく想う心。大切だと認識した瞬間、世界は一気に花開いた。



散らない花など、ありはしないのに。



“覚えたはずの感情”を忘れてしまった。 



色を失った世界にすら、なんの疑問も抱かない。




哀しくもない。――哀しい。 そもそも、哀しいとはなんだった?




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