愛して先輩っ! XXX
「ただいまぁ」

「ただいま」



元気な声が聞こえた。

玄関からリビングに入ってきたのは、瑠衣くんと星矢くんだった。



「奈々ちゃんっ」



瑠衣くんが買い物袋を手渡してきながら、私に詰め寄った。

その顔は、ちょっと怒っているようで。

……私、なにをやらかしましたかね。



「食器用洗剤ってスーパーにあるじゃん! だったら、星矢に任せるべきだった!」



ぷりぷり怒り出す瑠衣くん。

まあ、確かに。

食器用洗剤はスーパーにも売っている。



「そんなに僕を追い出したかった!?」



被害妄想が激しい瑠衣くん。

追い出したいというか、祐樹先輩と話をしたかっただけなのに。



「ごめんね?」



ここはとりあえず謝っておこう。

それでも機嫌が直らない瑠衣くん。


……放っておこう。



「奈々ー。夕飯の食材って冷蔵庫でいいの?」

「あっ、今行くー」



私は目の前に立っている瑠衣くんをすり抜けて、キッチンに立っている星矢くんに走り寄った。

瑠衣くんはリビングですねている。

あ。

祐樹先輩に慰めてもらっている。

こうやって見ると微笑ましい。
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