あの夜身ごもったら、赤ちゃんごと御曹司に溺愛されています

悠一さんの結婚が白紙になった理由を聞いた私の胸はドキドキしていた。
でもどう言葉にしたらいいのかわからなかった。
すると彼が一歩一歩近づいてきた。
「さっき言っていたことは本当なのか?」
「え?」
「ブルームーンのことを教えてくれたのは柊一の父親だって言ったこと」
——え? 聞いていたの?
「そ、それは……」
子供のいる前で嘘とは言えず、唇を強く噛んだ。
「頼む。本当のことを言って欲しい。この子は俺の子なのか?」
答えにつまっていると柊一が悠一さんを指さした。
「パパ、おちゅきさま?」
「翼、答えてくれ!」
私はこれ以上嘘がつけないと覚悟し、頷いた。
すると悠一さんは、その場でしゃがみ、柊一の手を握った。
「柊、パパだよ。柊にすごく会いたくて月からやってきたよ」
「パパ? パパ?」
「そうだよ」
悠一さんは柊一を抱き上げた。
背の高い悠一さんに抱っこされた柊一はとても嬉しそうだ。
でも私には複雑だった。
だって私は彼の許可を取らず勝手にこの子を産んでしまったのだから。
「ごめんなさい」
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