あの夜身ごもったら、赤ちゃんごと御曹司に溺愛されています
私が謝ると悠一さんはその意味がわかっていないのか首をかしげた。
「なぜ謝るんだ?」
「だって、黙って産んでしまって……」
「驚いたよ」
そうよね。
驚かない方が不思議。
「この子がお腹にいることを知った時、素直にうれしかった。一度しか会ったことのない人だったけど、私はあなたにとても惹かれた。だからどうしても産みたかった。もちろん両親は大反対だったけど、祖父母も応援してくれて……」
「ありがとう。君は俺にかけがえのない贈り物をくれたんだよ」
「悠一さん」
「嘘をつかれたのはショックだったけど、俺はこの子を見た瞬間、俺の子だってわかった」
すると柊一が
「パパ、おちゅきしゃま?」
月に帰るのかと月を指さした。
悠一さんは首を横に振った。
「パパはずっと柊ちゃんのそばにいる。もう月には帰らない」
「パパ!」
二人の嬉しそうな姿を見て目頭が熱くなった。
そして悠一さん会えなかった時間を取り戻すように柊一とたくさん遊んでくれた。
柊一もうれしかったのだろう、悠一さんに抱っこされたまま眠ってしまった。
私は柊一をテントに用意してあった寝袋に寝かせた。
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