あの夜身ごもったら、赤ちゃんごと御曹司に溺愛されています
彼の口からでた言葉は政略結婚という私には無縁なものだった。
二年ぶりに再会した彼がもうすぐ結婚する。
正直動揺を隠せなかった。
もちろん柊一を認知してほしいとか、あってほしいわけではない。
私が勝手に産んで育てているのだから。
でもこの二年間、彼のことを忘れたことはなかった。
それは柊一の成長とともにより大きくなっていた。
柊一の目と口は彼にとてもいたからだ。
だから胸のずっと奥の方で私は夢を描いていた。
いつか3人で暮らせる日々を……。
もちろんそれが叶わぬ夢だとわかっていても。
だが、結婚すると言う言葉は、私の儚い夢の終わりを告げていた。
「おめでとう……ございます」
笑顔で祝福したいのに、顔を上げられなかった。
「それ……本気で言ってる?」
彼が私との距離を縮める。
「本気ですよ。結婚なんて喜ばしいことじゃないですか」
「だったら俺の目を見ろよ」
私は彼の顔を見れなかった。
すると視界が暗くなった。
私は彼に抱きしめられていたのだ。
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