【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。


「それともう一つ、言っておきたいことがあります」

 わたしは社長の目を見つめながら、さらに言葉を続けた。

「言っておきたいこと?」

「はい。わたしには、ずっと愛していた人がいます。その人はわたしが本当に心も身体も愛していた人でした」

「……なぜ、別れたんだ?」

「別れた訳じゃありません……。彼は事故で亡くなったんです」

 わたしがそう言うと、社長はだんまりしてしまった。

「その彼のことを、ずっと引きずっています。なのでここまで、新しい恋に進むこともできませんでした。……だからもしわたしに好意があるとするならば、わたしの心も身体も、全部あなたで埋め尽くしてください」

 わたしがこの恋に進むには、社長の力が必要だ。いつまでも引きずっていたくない。だから、殻を抜け出すのには、彼の力が必要だ。

「それは粋なお願いだな。……いいぞ。忘れられない男がいるなら、俺がこの手で、この身体で忘れさせてやる」

 彼はそう言うと、わたしの唇を奪ってきた。
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