【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。



 わたしはそう言うと、神宮寺社長は少し黙り込んでからこう言った。

「莉沙ちゃん、こちらの実際のサンプルはありますか?」と。

「はい。当社に実際の実験途中ではありますが、こちらの測定台のサンプルがあります」
 
 と、わたしは写真を見せながら言った。

「そう。 次こっちに来る時にでいいから、持って来てくれないかな?」

「分かりました。では、次回こちらに伺う時に持ってくるよう、担当の者に伝えておきます」

「よろしく頼むよ。……それとさ」

「はい。何でしょうか?」

 また何か機械のことで聞きたいことがあるのかな?と、わたしは勝手に思っていた。

「聖川、俺のこと何か言ってた?」

「……え?」

 何かって……? 何のこと……?

「何も言ってないなら、別にいいんだけどね」

 どこか冷たいその言葉の裏側に、何か儚げなものを感じた気がした。……何なのかは分からないけど、一瞬だけ、神宮寺社長はすごく切ない表情を見せていた気がしたから。
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