風になびく君の髪
「どっちってなんだよ」
「その言葉のまんまだよ」
……くそ
こいつは妙に勘が良いというかなんというか
「………わかんねーんだよな」
振り絞って言えたことがこれだった
「忠告だけど、どっちつかずだと両方傷付けることになるぞ?」
説得力のある湯山の言葉が突き刺さる
「……そうだよな」
両方、どっち、
密かに思っていたことだけどもう違うじゃ通用しない
何回もモヤモヤした気持ちが邪魔をしてたけど
水瀬に何か言われて少し期待する度に思い出す
ひまわりの顔をいつも思い出す
けどそれとは逆で、ひまわりに告白された時も水瀬を思い出す
これがどういうことだかは何となくわかる
俺はひまわりと水瀬、どっちも好きなのかも知れない
いや、確かに水瀬は特別だと思ってるんだけど
ひまわりとしばらく会わなくて尚更思う
俺はひまわりの声、顔、そして髪
ひまわりに触れられるあの距離が好きで
それが無くなった途端に俺は心にぽっかりと穴が空いた気分になってるんだ
ひまわりに告白された時も俺は嫌な気持ちしなかったのは確かに俺にも好きな気持ちがあったからに違いないと思う