帝王と私
誕生日
「貴将さん、これ…」
背中の刺青に触れた。
抱かれてた時は、全然気づかなかった大きな虎が、こっちを睨んでいた。

これが“帝王”の所以なのだろう。
いつもの私なら、とっくに逃げているだろう。
でも、逃げるどころか放れられなくなっていた。
完全に彼にハマっている。

「あー。俺の守り神」
「虎だよね…」
「うん、怖いでしょ?」
「うん…でも、カッコいい……貴将さんみたい…」
「フフ…ハハッ…!」
「え?なんか私、変なこと言ったかな…?」

彼に頬を撫でられ、そのまま口唇を撫でられた。
「もう一回言って?今の……」
「え?」
「カッコいいって!」
「貴将さん、カッコいい…」
「ほんと不思議だな…!これをカッコいいなんて、初めて言われた」
「変かな…?」
「ううん。嬉しい…!」

「守り神かぁ~」
「弥生?」
「なんかいいなぁ」
「そう?」
「私臆病だから、守り神あればなぁって…」
「弥生は俺がいるでしょ?」
「え?あ、そうだよね?嬉しい…!」
「あ、そうだ!」
そう言うと、彼は自分の首につけていた黒いネックレスを外し、私につけてくれた。

「え?貴将さん?」
「あげる!このネックレスも守り神だよ!
俺がいない時に弥生を守ってくれるよ…!
………その代わり、何があっても外さないでね…?」

「うん…」
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