帝王と私
帝王
「綺麗~気持ちいい~」
「ここの景色は、また格別でしょ?」
「うん!」
次の日、彼に連れられ公園に来ていた。

「周りに何もないけど、景色はいいんだよね…ここ」
「貴将さんは何でも知ってるんだね?」
「まぁね…!」
彼の目がまた妖しく光った。
黒く、恐ろしい位━━━━
この恐ろしさの意味が知りたい━━━━

「貴将さんは、色んな顔があるんだね…?」
「ん?」
「優しくて、穏やかでフワッて笑ったかと思ったら、真っ黒で、深くて重たい位の怖さもある……」
「怖い?」
「うん…凄く……。
でも……」
「でも?」
「放れたくない…。それ位、好きだから。
……それで、聞きたいことがあるの……」
「何?何でも聞いて?」
「貴将さんは帝王に、黒い噂があるって聞いたことある?」
「もちろん…」
「それは、本当のこと…?」
「………ほんとだよ…?
俺の仕事は、ホテル社長だけじゃないよ。
弥生の想像以上の闇があるよ。だからこの世界に俺に逆らえる人間も、怒りを買う人間もいない…」
「やっぱりそうなんだ。
だから、初めて逢った時怖いと思ったんだ…」
そこで妙に納得できた。

「そう?」
「だからね…第一印象は“怖い”だったの」
「そう…。
でもこの世界に、俺を自由にできる人間は一人だけいるよ?」
「え?誰?親とか?」
「ううん。親でも無理かな?」
「じゃあ誰だろ?うーん……」
「フフ…弥生だよ…!」
「ふぇ?」
「フフ…可愛い…」
彼が私の頬を撫でる。
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