隣の部屋の新人くん
あっさりと告げられた終わり。
私たち、そんな簡単に終わる関係だったの?

「なんで」

私の言葉を遮るように「実は」と言う。

「実は、他に大切な人がいる。イスラエルはその人と来てる」

は・・・?

思考が停止する。

衝撃の事実が発覚。
私は三年間、遊びだった。

あんなに、浮気を心配していたのに、浮気相手は私だったんだ。

いろんな点と点が一気に線で結ばれていく。

もしかしてあの時も、思い出せばあの時も、きっと彼は仕事じゃなかった。

思い返せば思い返すほど、地面が粉々に砕けて、底も見えない暗い闇に落ちていく。

「だからごめん、別れてほしい」

私の脳が拒否反応を起こしているかのように、佳弥の声が頭に入ってこない。
だけど、「別れてほしい」とお願いされて駄々をこねるわけにはいかない。

私が邪魔者だったんだ。

「うん、分かった」

私は心で受け止める前に、いつの間にか勝手に口がそう答えていた。

こうして一方的に、3年の関係に終止符を打たれた。
待ちに待った久しぶりの電話は、わずか5分足らずで終わってしまった。

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