サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
◎ 落とされて驚かされて -恭介-
次の日の昼休み、いつものように俺は詩織のクラスへ足を運んだ。
「し・お・りぃ。お待たせ」
俺は浮かれていた。
キスしただけなのに詩織が俺のものになったような気になっていた。
詩織は赤くなりながらお弁当を二つ持って廊下まで出てくる。
「今日のお弁当は、何かなぁ」
語尾に音符マークが見えるほどに、浮かれてるな、俺。
いつもの場所へ行き、お弁当を食べる。
詩織って料理が得意なのか?
いつもお弁当は凝っていて、美味しい。
「詩織って料理好きなの?いつもお弁当、美味しい」
「お料理は嫌いじゃないよ。好きな方かな」
「じゃ、進学先そっちにしたらいいんじゃね?」
「うん、恭介に言おうと思ってたの。私、管理栄養士の資格取れる大学に行くことにしたんだ」
「そっか。悩んでいた割には決めたの早かったな」
「優斗くんにもそっちを薦められて・・・・」
詩織はハッとして言葉をのんだ。
「優斗、先輩?」
「あっ、あの。たまたま優斗くんと話す機会があってね。少しだけ相談に乗ってもらっただけなの」
明らかに詩織が挙動不審になった。