サッカー部のイケメン二人の間で揺れて

『お疲れさまーっす!』

2年が部室に入ってきた。一番後ろに恭介もいる。

俺と顔を合わせるのが気まずそうだ。

俺から声を掛けなきゃ、部内の雰囲気が悪くなる。

「恭介、ちょっといいか?」

俺は部室の外に恭介を呼んだ。

「・・・・・。」

恭介は何も話そうとしない。


「恭介、さっきの事だけど。詩織を連れ出して1時間サボってた。すまなかったな」

「なに、してたんっすか。詩織連れまわして」

「詩織が泣いてたから、放っておけなかった。泣いてた理由は知らないけど、どうせお前が原因だろ? もっとしっかり詩織を見とけよ」

そう言って俺は恭介の胸をドンッと拳で叩いた。

恭介は何も言わず、俺を睨んでいる。

俺は邪魔者なんだろ。そんなのイヤってほど分かってんだよ。


もう、詩織には近づかないから。

もう・・・

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