サッカー部のイケメン二人の間で揺れて

◎ 恭介からの告白 -優斗-


もうすぐ全国大会へ繋がる地区大会が始まる。

去年、並木西学園は県大会決勝でライバル校に負けた。

全国がどんなものか見たかった。悔しかった。

俺たち3年にとっては、負けたらそこで引退。

俺は全国の舞台で引退するって、後輩を全国へ連れて行くって、去年の県大会決勝の時に決めたんだ。

俺たちAチームだけが成長すればいいんじゃない。

後輩たちB、Cチームの育成にも力を注いでいた。

俺のポジションを引き継げるのは佐伯恭介だろう。

俺は常に恭介を指導した。

恭介も素直に俺のアドバイスを受け入れる。

恭介は可愛い後輩だ。

絶対に全国まで行って、恭介たち2年生にバトンを渡す。

俺はサッカー以外のことは考えないようにしていた。

それなのに、よりによって恭介が俺の心を乱すなんて、生意気なんだよ。


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