サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
数回コールするけど恭介は電話には出なかった。
何度も電話できないし、もしかしたら明日の為に早めに休んでいるのかもしれない。
≪今、電話しちゃったの。休んでいたらごめんね。明日、頑張って!って言いたかったの。おやすみ≫
私はそうラインして、携帯を置こうとしたら、恭介から折り返しの電話が来た。
恭介の声だ。久しぶりに聞く声。
嬉しくて声が震える。
私、変なこと言ってないかな。
明日、頑張ってと言っただけなのに、恭介がとても喜んでくれているのが伝わってきた。
「優斗先輩にも応援の電話したんですか?」
なに、それ?
どうしてここで優斗くんが出てくるの?
やっぱり私と優斗くんは切り離せないの?
恭介は私のことを何とも思っていないから、優斗くんを話題にするんだね。
「優斗くんに電話してないよ? 私、彼とはもう何もない」
これが精いっぱいの返事。
私が何を言っても私の影には優斗くんが存在してしまうんだね。
「そうですか。電話ありがとうございました。じゃ、おやすみなさい」
一方的に切られた電話。
ツーツーツー・・・という音をずっと聞いていた。
「ふぅぅっ 迷惑だったのかな」
涙が零れた。
胸が痛い。