サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
その一年生は救護室に私を連れてきてくれた。
優斗くんはベッドに寝かされて、治療を受けている。
「優斗くん、大丈夫?」
私はベッドの脇まで行き、優斗くんの様子を伺った。
「ごめん、詩織。せっかく応援してくれたのに途中退場なんてな」
「ううん。そんなこといいの。どこをケガしてるの? 立てないの?」
「大丈夫だよ、当たり所が悪かっただけで打撲程度だと診断された」
「全国大会には出場できる」
試合はあと残り5分位だろうか。
「今日は勝つよ。俺の代わりに恭介が入ってるはずだから。アイツ、サッカー上手いんだ。安心して任せられる」
「そう。優斗くんが認める子なら大丈夫だね」
優斗くんはここにいる一年生とマッサージをしてくれていた部員に、席を外すように言って救護室の外へ出てもらった。