規制アプリ
「その遺書があれば俺たちが復讐することができたのに!」


伊代の父親が馬乗りになってきた。


必死で逃げようとするが、すでに体力がない上に男の人に押さえつけられてはひとたまりもない。


あたしは伊代の父親の下でもがくばかりだ。


「第一発見者のあんたのことはずっと怪しいと思って、行動を監視させてもらっていたわ」


伊代の母親はそう言うと、あたしのポケットからスマホを取り出した。


「それはっ!」


「このアプリは私たち夫婦に送られるべきものだったのに! お前が横取りしたんだ!」


スマホを地面に投げつけ、それを踏みつける。


バキッと音が響いて画面が割れた。


「お前にはわからないだろう。俺たちがどれだけ自分の手であいつらを殺したかったか……!」


「で、でもあたしだって伊代の復讐がしたくて!!」


必死に訴えてもダメだった。


子供を自殺に追いやられた親の気持ちは、あたしなんかよりも更に深く憎しみを持っている。


あたしがなにを言おうと、この人たちには聞こえない。


「この廃墟は誰も来ないのよ。まぁ、知っていると思うけど」


伊代の母親がニンマリと笑みを浮かべ、あたしへ向けてそう言ったのだった。




END

< 194 / 194 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:51

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

#自殺志願者募集

総文字数/72,469

ホラー・オカルト270ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
#自殺志願者募集 私と一緒に死にたい子 集まれ!
怪異ハンター

総文字数/0

ホラー・オカルト0ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「怪異ハンター」 僕らは僕らの弟を探すために 怪異ハンターになった
海姫物語

総文字数/36,953

恋愛(純愛)136ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「海姫物語」 幼い頃事故にあった私たちは海に浮かぶ孤島で暮らしている 私たちの存在はひた隠しにされ 世間から隔離される…

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop