規制アプリ
樹里は蕾を従えてあたしの机の近くまで移動してくると、「おはよー。ヤリマンちゃん」と、声をかけてきた。


あたしは驚いて樹里を見る。


そんな風に言われたことは今まで1度もなかった。


「昨日のしりとりでさ、あんたのことヤリマンだって言った子いたでしょ? 気に入っちゃったんだよね」


樹里は大声で笑ってそう言った。


あたしはうつむき、聞かないふりをする。


昨日の悪口しりとりではありとあらゆる暴言を吐かれたから、何を言われたのか覚えていなかった。


途中から本気で両耳を塞いでいたこともある。


「ねぇ、今までどんな男と寝てきたの? パパ活とかもしてるんじゃい?」


身をかがめ、わざわざあたしと視線を合わせて聞いてくる樹里。


その表情は粘ついた笑みが張り付いていて、それからは逃れられないような気にさせられてしまう。


あたしは蕾へ視線を移動させ、スッと息を吸い込んだ。


「今日は眉毛ないんだね」


ボソッと、呟くように言った。


しかしその言葉はしっかりと蕾に届いている。


蕾は一瞬たじろぎ、それからあたしのことを睨んできた。


「お前には関係ねぇだろ!」
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