殺人感染
☆☆☆

翌日、あたしは暖かな気分で学校へ来ていた。


昨日の純也の言葉を何度も思い出して、1人でニヤけてしまう。


「どうしたの遥、今日は一段と幸せそうじゃん」


香がちゃかすように聞いてきた。


「別に~?」


さすがに友人に昨日の出来事を話すのは気が引けた。


ニヤニヤしちゃって気持ち悪いと言われるかもしれないし。


「遥は昨日純也くんとデートだったから、幸せなんだよねぇ?」


隣から鈴の音のような声が聞こえてきたかと思うと、雪が立っていた。


香も雪も朝からめざとくあたしの変化を見つけてからかいにきたみたいだ。


「はいはい。別になにもないですから!」


パンッと手を叩いて話題をかえようとする。


そのときだった。


ちょうどいいタイミングで誰かが「都市伝説の殺人鬼って知ってる?」と、会話しているのが耳に入った。


その声に大きさに3人同時に振り返る。


会話をしていたのは後方の席の女子生徒たちだ。
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