殺人感染
「そのくらいの気持ちでいるってことだよ」


純也は気を取り直すように言った。


「え?」


「俺は、周りに殺人鬼がいても逃げ出さずに遥を助ける。だから遥は、安心して俺の隣にいて?」


突然の恥ずかしい告白に、あたしは返事もできなくなってうつむいてしまった。


だって、ここはスイーツ屋で周りには同年代くらいの子が沢山いる。


だけど、純也の気持ちは嬉しかった。


殺人鬼からも守ってくれるという男らしさに胸も高鳴る。


「ありがとう」


あたしは恥ずかしさを押し込めて、どうにかその一言だけ純也に伝えることができたのだった。
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