【完】嘘から始まる初恋ウェディング

目の前までやって来たルナは、ジッと俺を見上げてそっと両手を手に取り握る。
壊れそうなほど細い指先が僅かに震えている。 少しだけ目を逸らし頬を赤らめながら言った。

「…羨ましかったの…。 実悠さんがさり気なく白鳥さんに触れていたのが…
私は意気地なしでいっつも勇気がないから、本当は今も物凄く怖い。
…でもこうやって白鳥さんに触れたかったの…」



心臓がバグってしまったのかもしれない。 ありえないほどドキドキと時を刻んでいく。
こんな清純そうな女はちっともタイプじゃないし、異性としては見れない。 はずだったのに
むしろ女に手を握られたくらいで、こんなに胸がドギマギするなんてどうかしている。

月明かりに照らされた夜、震える指先に感じた熱。
自分でも驚く程、硬直してその場から動けなくなっていた。

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