【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「ちょっと、お父様達……何の用事なのよッ。 引っ越しの準備で忙しいのだから、邪魔するつもりならば帰って下さいッ」
そしてルナは少し強くなったと思う。正に母は強しという奴なのだろうか。
引っ越しの手伝いと言いながらも、邪魔ばかりする両父親を家から追い出した。
そんなルナは出産ギリギリまでチェリーチョコレートカンパニーで仕事をするというまで、逞しい女になっていく。 こうやって女は強くなっていくのだろうか。
俺は’結婚’という到底自分には似合わないイベントをこなし、そしてこれから地獄のような幸せな人生を歩んでいくのだろう。
給料はきっちりとルナに握られている。
とはいえ、ロミオとジュリエット。そしてこれから生まれる赤ん坊との未来を想像すると鳥肌と共に喜びだって共存している、妙な気持ちになる。
「おい、ルナ。あんまり重い物を持つな」
「白鳥さん、優しい~~感動して泣きそうですわ~」
変わって行く中でも変わらない物もある。 泣き虫なのは相変わらずで、そんな砂糖菓子みたいに甘い女を生涯守り抜くと誓った。
「お前も白鳥さんになったんだから、その呼び方なんとかしろ」
「か、翔さん?キャーッそんなの恥ずかしいッ。
ねぇ、ロミオ、ジュリエット。」