【完】嘘から始まる初恋ウェディング

「わあ、それは嬉しいですね。是非一緒に行きましょう」

思わず棒読みになってしまったが、ルナは胸を撫でおろしたかのようにぱあっと顔が明るくなる。
分かりやすい位、嬉しさを表現してくれる。 犬か、お前は。

「嬉しいですわ…! 白鳥さんと休日に出かけられるなんて、夢のよう!」

俺にとっちゃ地獄だがな。 何故休日までお嬢様のお付き合いをしなきゃならねーんだよ!

「あらあら、ルナったらそんなに嬉しそうに。 本当にルナは翔さんが好きねぇ」

「いやだわ、お母さま…好きだなんて…そんな
私、そんなつもりはないですわ…」

おいおいおい、何で満更でもねぇっつー顔してやがるんだ。  ルナには極力好かれないように努力しているのに、何故だ?!

恋をされたら最悪だ。 だからわざとお嬢様の嫌がるようなお店に連れて行ったり、予防線を引いているのに、何故やる事なす事全てが裏目に出る?!

弾けんばかりの笑顔を見せるルナを前に、ぴくぴくと引きつった笑いは止まらない。
こうして俺の素敵な休日プランはぶっ潰されてしまったのだ。

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