乙女チック同盟~私と学園の王子様のヒミツの関係~
「ピンポーン!」

 夢さんがニヤニヤと笑う。

「もう……やめてくれよな」

 耳まで真っ赤になって照れる八乙女くん。

 やっぱり!

「へぇ、八乙女くん、すごい美人……」

 私はチラシの写真をマジマジと見た。

 もし女装した八乙女くんがうちの学校に通ってたら、学年で一、二位を争うほどの美少女になってたんじゃないかなってほど可愛い。

 もう、私なんかが女の子をやっててすみませんってレベル。

「いやいや、写真だとフォトショされてるからよく見えるけどさ、実際はデカいし筋肉質だし、ゴツいよ?」

 必死で写真を隠そうとする八乙女くんを見て、お姉さんたちが茶化す。

「何いまさら照れてんのよ」
「そうそう。小さい頃なんて、私たちのお下がりの服ばっかり着てたじゃない」
「いつも女の子に間違われてたよね~」

 へえ、八乙女くん、昔は女の子の服を着て過ごしてたんだ。

「そうなんですね。その頃の写真、見てみたいかも」

「見てみたい? 探してこようか!?」

 キラキラと目を輝かせる夢さん。

「はい、見たいです!」

「それじゃ、ちょっと待ってて」

 わー、楽しみ!
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