カタブツ竜王の過保護な求婚
それなのにカインたちはその力に驕ることなく、自制している。
傲慢だったとカインは言うが、自覚のないまま大人になる者も多いのだ。
ひょっとしてそのために王族の男子は旅に出るのかもしれない。
「カイン様はとてもご立派な方です」
「そう言ってもらえると嬉しいが、私はまだまだだよ。だが、そうありたいとは常に思っている」
カインはふうっと息を吐き出し、柔らかなまなざしを改めてレイナに向けた。
「フロメシアに遊学していたある日、鳶に襲われて怪我を負た私は変化することもできなくなり……生垣の陰に隠れていたところを優しい人間の女の子に助けられたんだ」
「そうですか……。ちょっとびっくりしましたが、優しい女の子に助けられたのならよかったです。お怪我も無事に治られたんですよね?」
カインが怪我をしたと聞いて心配になったレイナだったが、これは昔の話であることを思い出して安堵した。
今のところ目に見えて悪いところはなさそうである。
しかしカインは困ったように微笑んだ。
「――もちろん完治したよ。とてもよくしてくれたから……その、さすがに覚えてはいないか……?」
「……え?」
問われてレイナはまさかと思った。
だが話の流れからして、カインを助けた女の子とは自分らしい。