カタブツ竜王の過保護な求婚

 そもそもこんなことになったのは、父であるラクスが勝手にユストリス側に条約に関する条件の変更を求めたことが発端なのだ。
 その結果、ユストリスからの返答は賠償金を減額する代わりにフロメシアの王女をユストリスの王太子の花嫁とすることだった。

 要するに体のいい人質である。
 ただこの条件は――たとえラクスが勝手に申し出たことであるとはいえ、賠償金の減額になるのならレグルにとってはかなり有難いものだった。

 そこでルルベラを説得しているのだが、現状がこれである。
 レグルは再び大きなため息を吐いて、窓の外へと目を向けた。

< 9 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop