Livre magic〜未来への光〜
「僕たちは、それぞれ耐え切れないほど悲しいことを経験して、その悲しみを取り除いてあげるとオズワルドに言われたんだ。僕たちは嬉しかった。この果てしない苦しみから解放されるんだって、嬉しかったんだ。でも、それは間違いだった。オズワルドに僕たちは騙されていた。知性を奪われ、姿を変えられ、本の中に閉じ込められてしまったから……」

物の怪の瞳から涙がこぼれ落ちていく。その涙は光り輝き、まるで宝石のように美しい。

「そっか……。君たちのことを何も知らず、ただ攻撃してしまってごめんね」

メルキュールがそう言うと、物の怪は「僕たちもごめんなさい」と頭を下げた。

そして、物の怪はメルキュールに約束をした。オズワルドに攻撃を受けた際、必ず助けるということを……。



僕の目の前で、「ごめんなさい」と物の怪が謝る。その目には涙があふれていた。

物の怪が話したことに、エリカたちは驚いている。僕も物の怪が蘇ったことは驚いていた。やっぱりあの時見た夢は、この物の怪の過去だったんだ。
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