Livre magic〜未来への光〜
少し歩くと、手錠をその手にかけられて両脇を刑事さんに抱えられたオズワルドさんがどこかへ連れて行かれるところだった。僕は慌てて「オズワルドさん!」と声をかける。

「ノワール!?」

オズワルドさんに声をかけたことに、リオンたちは驚いている。でも、どうしてもオズワルドさんに言いたいことがあったから……。

「……何だ」

足を止め、オズワルドさんが僕を睨む。その目にあの傷付けられた時のことを思い出してしまいそうになるけど、僕はオズワルドさんの赤い瞳を見つめ、口を開いた。

「初めて会った時のこと、覚えてますか?」

「そんなもの、とっくに忘れた」

「あの時のオズワルドさん、みんなが求める警察官って感じがしてたんです。正義感があって、人を守りたいって思いにあふれてて……」

「何が言いたい?」

オズワルドさんはどこか気怠そうにしている。僕は精一杯の笑顔で言った。

「きっと、あの時のオズワルドさんが本来のオズワルドさんなんだって信じてます。オズワルドさんがこんな事件を起こすようになった本当のきっかけはわかりません。でも、きっとオズワルドさんはーーー」
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