アンチテーゼを振りかざせ


◽︎


「………え?」

「広報宣伝部。どう?」


……どう、と言われても。





突然そんな提案をしてきたのは、爽やかな笑顔は崩さないのに、こちらにきちんと回答は促してくる我がプロジェクトチームリーダーの香月さん。



来年度の新入社員研修に関する人事部との打ち合わせを終えて自席に戻ると、待ち構えていたかのように側に立つ彼に「ちょっと話せる?」とフロアの外へと連行されたのは、ほんの数分前。



今日は特にオフィスリニューアル関係の打ち合わせも入っていないし、工事も順調に進んでいると聞いている。

それでもこんな風に呼び出されるのは、何かあったのだろうか。


自分の頭の中だけで考えていると、どうしてもマイナスの方向へ思考が進み、それに呼応して顔も暗さを増す。


だから。


「保城。」

「……はい。」

「__広報宣伝部に、来ない?」


フロアの外へ出た瞬間、私に投げられた言葉はとても予想外だった。


< 115 / 203 >

この作品をシェア

pagetop