訳あり無表情少女と一途な幼馴染 〜裏の仕事〜
顔を両手で包まれ、勢いよく唇を塞がれる
いや、噛みつかれた
乱暴で激しいキスに何の抵抗も出来ず
トン…と後ろに冷たい物が当たり、壁に追い込まれたと分かった
唇が離れる頃にはお互いに息が上がり、私は立ってるので精一杯
壁に凭れて息を整えてると首にキスが落ち、鎖骨や胸元にもチクッと痛みが
蓮が顔を上げ、唇の端を指先で拭われる
ふと、さっきの事を思い出すと、蓮がピク…と反応し

「今、アイツの事考えたか?」

顎をグッと掴まれ、唇の端をペロ…と舐められる

「俺の前でアイツの事なんか考えんな
 アイツにお前は渡さねぇ、渡してたまるか」

再び唇を塞がれる
すると頸をツ…と触られる感覚が

「んっ…」

その感覚は下に移動し、ジーとチャックを下げる音が
キスをしたまま服を脱がされ、体が夜の空気に晒される
唇が離れるとフワッと体を持ち上げられ
バフッと柔らかい衝撃で、ベッドだと分かった
蓮を見れば、いつの間にかタキシードを脱いでる
蓮は私に覆い被さり

「アイツに隙見せてんじゃねぇよ」
「あ、あれは不可抗りょ」

言い切る前に塞がれる

「あんな人が沢山いる所でアイツの婚約者だって愛想振り撒きやがって
 仕事が終わったらどうするつもりだよ」
「ケイには婚約者がいるけど、
 顔と名前が思い出せない様に《ヒュプノ》を掛けてたから大丈夫
 勿論、蓮の事も」
「…」
「誰も雫や零がいた事は覚えてないから、大丈夫だよ?」
「…、ダンスに誘われた時、何言われてたんだよ」
「私があの場に居なくなってもケイを護れる様にしといてくれって
 だから今、蓮といるの」
「…、それでも、今日一日、俺がどんだけ我慢してたと思う?」
「…」
「今日は、寝れると思うなよ?」

その夜、私は嫉妬の獣に食われた


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