訳あり無表情少女と一途な幼馴染 〜裏の仕事〜
思わず目をパチパチと動かす
私は蓮の手から逃れて身なりを整える

「仕事は別でしょ」
「…じゃあ、何で会いに行くんだよ」
「今日の予定を聞くのと、挨拶」
「今日は何も無いっつってたぞ、これで行く理由は無ぇな?」
「…、挨拶はしとかなきゃ」
「別にいいだろ」
「よくない、ほら行くよ」
「…チッ」
「舌打ちしない、ケイの前では止めてね」
「…だから」

扉の前まで行くと、肩を掴まれグッと振り向かせられる
蓮の怒りの表情が見えたと思ったらダンッ!と扉に押し付けられた

「俺の前でアイツを呼ぶな」
「…無茶言わないで、相手は依頼人なのに」
「……、だったら、俺とだけの時は呼ぶな」

まあ、それだったら

「……分かった。言わない様にす」

顎をグイッと上に向かせられ、蓮の顔が目の前に
蓮はまだ怒りの表情で

「言わない様にするんじゃねぇ、言うな」
「…」
「また言いやがったら、その口を塞いでやるからな」

蓮は先に部屋を出て行った

「…困ったな」

とりあえず、ケイに挨拶しに行かないと
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