【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜



「そうか……。そうなのか。 俺たちに、赤ちゃん出来たのか!」

 咲哉さんは少し興奮しているのか、ちょっとだけ顔がニヤついていた。

「はい。……わたしと咲哉さん、ふたりの赤ちゃんです」

「嬉しいな?……嬉しいよ。奈都との間に俺の子供がいるのか? 信じられない……。夢見てるみたいだ」

 咲哉さんはすごく嬉しいのか、すごく声が明るかった。そしてわたしは、「赤ちゃん、大切に育てたいです」と言った。

「ああ、赤ちゃん、生んでくれるだろ?」

 と言われたので、「当たり前です。生みたいに決まってます」と言って笑った。

「……ああ、生んでくれ。俺たちの赤ちゃん」

「はい。……咲哉さん、愛してます」

「俺のほうが、君を愛してるに決まってるだろ? ……奈都とお腹の子は、俺の愛で埋め尽くすよ。誰にも負けないくらい、君たちを愛すると約束する」

 咲哉さんはそう言うと、わたしの唇にそっと優しく口付けした。

「……わたしも、あなたの愛で埋め尽くされたいです」
< 100 / 166 >

この作品をシェア

pagetop