【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜

新婚夫婦




「五月女さん、おはようございます」

「あ、あ、おはようございます……」

 五月女さんと呼ばれると、なんか緊張する。結婚して名字も五月女に変えたわたし。その瞬間から、妙に緊張して、なんとも言えない気持ちになる。

「五月女さん、体調大丈夫ですか?」
 
 と、社内で誰かに会うたびに言われることもあり。その度に「大丈夫です」と伝えてはいるけど、そんなに心配してくれる人がいることに気付いて、ちょっと嬉しかったりする。

「奈都、これ備品発注お願いしてもいい?」

「いいよ」
 
 藍那から発注書を受け取り、備品発注を行った。

「奈都、ちょっと備品保管庫行ってくるね」

「うん。ありがとう」

 妊娠が分かってから、みんなが気を遣ってくれて。なるべく重いものを持たないようにと代わってくれたりする。……ありがたいけれど、申し訳ないという気持ちになってしまう。

 でも今は、安定期に入るまでは体調を見ながら仕事をする予定だ。あまり無理はしてはいけないと、咲哉さんからも言われている。
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