【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜
「奈都、仕事もう終わる?」
「うん。これやれば終わる」
「じゃあ、途中まで一緒に帰ろうよ」
「うん」
咲哉さんは結婚してからも仕事が忙しい人なので、いつも帰ってくるのが遅い。だけど美味しいご飯を食べてほしいという気持ちを受け取ってくれて、遅くてもちゃんとご飯を食べてくれる。
いつも美味しいと言ってくれて、本当に嬉しい。 どんなに忙しくても、食事はちゃんととってほしいから、いつも栄養のバランスを考えて作っている。
「奈都、今日の夕飯は何つくる?」
「そうだな……。鯖の味噌煮とお味噌汁にしようかな?」
「いいね、鯖の味噌煮。主婦の料理って感じ」
「えー?普通じゃない?」
そんな会話をしながら帰り道を歩くのもまた楽しい。
「五月女社長って、家ではどんな感じなの?」
なんてニヤニヤしながら聞いてくる藍那。
「えーどんなって?」
「だってほら、あんなにイケメンでしかも社長が夫でしょ? 会社と家ではまた違うでしょ?」
「んー……。どうなんだろ?」