【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜



「せ、先生! この方が、急にお腹が痛いって……!」
 
「え!? すみません!ちょっと見せてください」

 中川先生は、妊婦さんにかけより、急いで診察を始めた。

「これは……まずい」

 中川先生は何かに気付き、「もしもし!急いでストレッチャー持ってきて! 切迫早産の可能性がある!急いで!」と言って電話をしていた。

「あの、先生……。大丈夫なんですか?」

「大丈夫。わたしが助けるから。 先生を信じて」

 わたしの問いかけに、中川先生はそう答えてくれた。

「早見さん、分かりますか?今から病室に運びますからね? もう大丈夫ですよ」

 早見さんという妊婦さんの手を握りながら、中川先生はそう言っていた。

「先生!ストレッチャー持ってきました!」

「OK!ストレッチャー乗せるよ!」

「はいっ!」

 わたしの目の前で、中川先生は妊婦さんをストレッチャーに乗せ、病室まで運んでいった。 すごいなと思ったけれど、自分もそうなる可能性があるのではないか。そう思って少し、怖くなった。
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