【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜
「五月女社長!」
「え、ちょっと……!藍那!?」
藍那は五月女社長に気付き、五月女社長のそばへと行ってしまった。
「ええ……」
なんで行っちゃうの〜。
「奈都! 五月女社長が相席してもいいって!」
すると少しして、藍那が嬉しそうに戻ってきた。
「ええ?」
「ほら、早く!」
藍那に手を引かれて、五月女社長の目の前に座らされた。
「……お、お疲れ様、です」
五月女社長と目を合わせることが出来ず、わたしただ俯いた。
◇ ◇ ◇
「……五月女社長、あなたは……」
あの日、五月女社長と一緒にカフェに行って、わたしは奏人のことを聞かれた。そして正直に答えた。 愛していた人だと。
そしてわたしは、意を決して五月女社長にこう聞いたのだ。
「あなたは……。本当に、五月女咲哉さん、なんですか?」と。
「そうです。……俺は五月女咲哉です。正真正銘、五月女咲哉です」
五月女社長は、ポケットから免許証を取り出して、それをわたしに見せた。