【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜

俺を利用していい。





「さ、五月女社長……!」

「……え、奈都?」

 わたしは仕事を終えて帰る五月女社長を、会社のロビーで待ち伏せした。

「すみません、急に……」

「いや。……どうした?」

 五月女社長は、社長を待っていたわたしを見て不思議そうな顔をしていた。

「あの、わたし……。社長にお話があって」

 わたしは緊張しながらも、五月女社長にそう口にした。

「……話?」

「はい。 話したいことがあります」

「……奈都、お腹減ってないか?」

 そんなわたしに、彼はそう問いかけてきた。

「え? お腹……ですか?」

「そう。お腹、空いてないか?」

「……まぁ、はい」

 そんなわたしに、彼は「じゃあ何か食べに行こう」と言った。

 そんな彼に連れられて来られたのは、小さな居酒屋だった。

「さ、ここに座ろう」

「あ、はい……」

 五月女社長と向き合うように座った。 

「生ビールでいい?」

「あ、はい……」

 意外だな……。五月女社長も、こんな普通の居酒屋に来るんだな。
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